11月23日(木) 晴れ

ESスター  ローマでの最後の朝食後、荷造りをして出発。早めに駅に着いたけど、ホームがなかなか決まらなかった。列車はローマ発のフィレンツェ終点だと思っていたけど、ナポリ発のミラノ行きだということが判明。今回の列車はESスターだ。車内で検札は来なくて、フィレンツェまでノンストップだった。車窓とか撮りたかったけど、トンネルが多かったなぁ。

 定刻どおりにフィレンツェに到着。最初は、駅に荷物を預けてドゥオーモ辺りを見学してからホテルに向かってチェックインする予定だったけど、荷物預け料金も結構高いし、先にホテルに行ってみることにする。うまくいけば規定時刻前でもチェックインさせてくれるかもしれないし、それがダメでも荷物をホテルで預かってくれるだろうと思ったからだ。

 「歩き方」のフィレンツェ駅構内図に乗っていたバス乗り場には、あたしたちが乗りたい番号のバスがない。案内所で訊くと、駅の反対側、それもちょっと遠かった。目的の番号のバスを見つけたので乗り込み、運ちゃんに秘密兵器を見せる。ホテルの名前と、そこに行きたいから着いたら教えてほしい、という内容をイタリア語で書いた紙。そしたら、気持ちよく了解してくれた。これで安心だ。

 空港に近いように立地を選んだホテルだから、中心地からは遠い。思ったよりは時間がかかって、ホテルが窓から見えた。途中で乗ってきた男の人が教えてくれる役目を引き受けたみたいで、その人が「あれだよ」って教えてくれて、そのすぐ後に停まった停留所で降りるように教えてくれた。おかげで、無事にホテルに着けた。今回の旅で、これがいちばん不安だったけど、良かったぁ。

 チェックインは部屋の準備に少しだけ待たされたけど、すぐにさせてくれた。ロビーのソファに座って待っている間に、このホテル・チェーンの会員証みたいなのを作らされた。そんな感じで部屋の準備が整うのを待っているときに、えらいことが発覚した。

 連れが、お土産品を入れたリュックを、さっきの列車に置き忘れてきていたのだ。ええ〜! 駅に行ってみるしかないだろうなとは思っていたけど、部屋に入ってから、一応どうするべきか日本大使館に連れが電話して訊くと、やっぱり駅へ行くしかないって返事らしい。急いで駅へと引き返す。

 駅に着いて、まずはインフォメに行って事情を伝えたら、駅の端の方にある警察へ行けという返事。だけど、警察なんか見つからない。途中で、落し物や忘れ物預かりみたいな標識が出ていたのを見つけて、そこに行くと、そこではムリみたいな様子。あまり言葉がよく分からなくて、また大使館に電話して話してもらった。ら、クライアント・アシスタンスってトコがあるらしくて、そこへ行くのがいいとのことだった。

 場所を見つけて中に入り事情を伝えると、とても親身に対応してくれた。列車番号や座席番号などを伝えると調べてくれて、結果、あの列車の終点のミラノに無事にあることが分かった。だけど、あたしたちはミラノへは行かない。フィレンツェまで届けてほしいけど、ちょっとムリみたい。領事館がミラノにあるから引き取って日本に送ってもらえないか訊こうとしたけど責任者がお昼休み中で。もう、明日の予定をキャンセルして、ミラノに取りに行こうと決めた。で、一旦、その場を離れた。

 出てすぐに、明日ミラノに取りに行くから、って伝えるのを忘れていたことに気付いて、戻る。と、さっき応対してくれてた人がいない。あの人がいないと、英語もイタリア語もまともにできないあたしたちでは、話が通じない。で困っていたら、さっき応対してもらっていたときに後ろで聞いていたおじさんが、出てきてくれた。おじさんは、今夜の列車で荷物をここに届けてくれると言ってくれた。最初は、届けてくれる列車の列車長から受け取るように、みたいな感じだったんだけど、あたしたちが頼りなくて危なっかしく見えたのか、「受け取ってここに保管しておくから、明日の朝、取りにおいで」と言ってくれた。はぁ〜、これで安心だぁ〜。

ドゥオーモ  すっかり心が軽くなって、観光を開始できた。まずは、ドゥオーモ。その姿が見えた途端、外観のあまりの鮮やかさに歓声をあげる。今までの教会とかは、中は派手だったり豪華だったりしても、外観は普通の一色の壁。だけど、ここは、隣のジョットの鐘楼とかも含めて、全部カラフルな壁。白と緑とピンクとの幾何学模様。すごいよ。

 ここでは、クーポラにも上ることにする。すごく長い階段で、歩くのはかなりの距離が平気なあたしだけど、急な上り坂とか上り階段とかは苦手で、すぐに疲れてしまう。ちょこっとでも休憩すればすぐに回復して上るのを再開できるけど、長い連続はダメダメ。膝のすぐ上の筋肉が痛くて、もう泣きそう。

 だけど、苦労して上った甲斐は、充分にあった。途中、教会の祭壇の上のドーム部分をぐるりと一周できるようになっていて、そこからの天井のフレスコ画がとても近くに見られて、すごい。ステンドグラスだって、目線と同じ高さにある。それに、本当にいちばん上で外に出て、フィレンツェの街を見渡した眺めも抜群。

 満足しきって降りて外に出たけど、さすがに疲れて、ジョットの鐘楼に登るのはパス。明日はピサの斜塔にも登るんだしね。後で見たら、今の階段は464段あったって。ひゃ〜。しんどかったわけだ。

 南下してシニョーリア広場へ向かう。ベッキオ宮とロッジア・ディ・ランツィの彫刻が並ぶ、きれいな広場。その奥にウッフィツィ美術館があって、そこが次の見学場所。だけど、もう入館時間は終わっていると言われた。え〜。「歩き方」には開館時間は18:50までで、一時間前くらいまでは入れるみたいなこと書いてあったのに。で、入り口の案内を見たら、なんと開館時間が16:30までだった。その一時間前まで入館できるとすると、ギリギリ、アウトの時間。これじゃ、明日もムリだ。諦めるしかないな。

ヴェッキオ橋の上  そのまま美術館の前を通って、アルノ川に出る。そしてベッキオ橋へ。情報どおり、ホントに貴金属と宝石のお店が両端にびっしり。どこもキラキラと、派手で眩い。あたしたちに縁のある値段じゃない品物ばっかりだけど、ショーウィンドウを眺めているのは女のあたしには楽しいし、橋の全体としての景色もいい。ただ、結構混雑していて、いかにもスリとかがいそうなのが、ちょっとイヤ。

 橋を向こうまで渡り終えて、近くにあったサンタ・フェリチタ教会に入る。ここではなんと、パイプオルガンを生演奏していた。演奏している写真を撮りたかったけど、暗いし遠いしで、ズームいっぱいかけると、粒子ばっかりのわけわかんないのしか撮れなくて。だけど、いいシーンを見られてよかった。

 途中でジェラートを食べながら、新市場のロッジアへ行く。トレードマークのイノシシくんの像があって、その奥にお土産の露店が詰まっている。イノシシくんの写真を撮ってから露店を一巡り。

フルーツポンチ  ドゥオーモ広場へ戻って、近くのスーパーでお買い物してから、広場の角のセルフサービス・レストランで夕食。トマトとツナのパニーノと、すっごくキレイで思わず目が輝きそうなデザートたちの中からフルーツポンチらしきものを選んだ。パニーノもおいしかったけど、フルーツポンチがめちゃくちゃおいしかった〜^^

 帰りにディズニーストアを見つけた。そこに、プーさんのぬいぐるみで、今年の個数限定クリスマス・バージョンのやつがあった。すごく可愛くて、通し番号のタグも付いていて、すごく気に入った。これを誕生日プレゼントとして買ってもらった〜。ありがとね〜^^