11月20日(月) 曇り
車窓は、最初は街のいたる所に遺跡みたいなのが見えて、すごいなーと思った。暫くして郊外になると、思いっきり広い田園風景。羊の群れが見えたり、ブドウ畑がいっぱい見えたり。 車内では、携帯の着メロが平気で鳴りまくっている。車内とかではマナーモードに、とかいう常識は、イタリアにはないみたい。人がいっぱいいるトコで平気で歩きタバコしている人も、多いしなぁ。ナポリに近づくと、近代的な高いビルがいっぱい見えだした。だいぶローマと雰囲気が違う。そして、ナポリ着。なんと、雨が降っている〜。貴重品入れ腹巻からお金をお財布に移すためにトイレに行くと、なんと、便座がない。鍵もない。んーーーーーーー、と思いながらお金を移し変えて外に出ると、雨がじゃじゃ降りになっていた。うそぉ〜、こんな中でポンペイを観光しなくちゃなんないのぉ〜;; とりあえず、昼食調達。ちょっと歩き回ってみて、結局駅構内のバールで、ツナとトマトのパニーノを買った。ポンペイで適当なトコに座って、ピクニックみたいにお弁当タイムにする予定なんだけど、雨が降ったままだったら……。ポンペイへ行くための、ヴェスヴィオ周遊鉄道の乗り場を探す。案内板を見つけてそのとおりに行くと、簡単に切符売り場に着いた。だけど、事前にネットで調べていた情報や「歩き方」に載っていた情報とは、全然違っていた。通路が工事中みたいな仮設っぽかったから、たぶん最近変わってしまったんだろう。窓口でポンペイに行きたいと言うと、周遊券を勧められた。ナポリ⇔ポンペイの往復乗車券と、ポンペイの入場券引き換え書(バウチャーって書いてあるけど、交換所の写真が白黒コピーされているだけの紙に、手書きで日付とか人数とかが適当なトコに書かれてあるだけ)がセットになっている。それと一緒に、列車の路線図と時刻表もくれた。 乗った列車は、なんかボロっぽくって、キタナかった。車内のあっちこっち、窓にまで落書きがいっぱいだし。椅子もプラスチックでちゃちだし。雨のせいもあってなんとなーく薄暗い印象で、あたしたちは座れたけど乗客もいっぱいで、落ち着かない。
すぐに入り口に到着。インフォメで地図をもらいたかったのに、係員のおっちゃんに「入り口はこっち!」みたいな感じのことを怒ったように強く言われて、もらいに行きそびれた。 いよいよ入る。ちょっとドキドキする。大昔に、火山の噴火で一瞬で滅んだ街。そのことを高校のときに世界史で知ったときから、興味があった。ぼろぼろになった街の中を歩いて、これがそうなんだなぁって、しみじみ思う。そして、どこを見回しても感動しまくる。のっけから、写真を撮りまくってしまう。
こんだけのものが、街ごと丸ごとすっぽり火山灰で埋もれていたなんて、驚き。それも一瞬で。栄華を誇っていた街が、一瞬で呆気なく、タイムカプセルに閉じ込められていた。滅んでしまった呆気なさがなんだか寂しくて、でもそれがこうして時を越えて目の前に現れている不思議さに、なんか感動した。 遺跡から出ると、もうインフォメは閉まっていて、地図をもらえなかった。隣のブックショップで、復元図を重ねられる写真集を買って、ナポリに戻った。予定より一本早い列車で戻れたから、ナポリで時間が余った。昼食用のパニーノを買ったバールで切り売りのピザを食べる。イタリアに来て始めてのピザだ。チーズたっぷりのチーズピザを選んだ。一切れでも巨大。そして、すっごい、おいしい〜。 ![]() やっと列車の到着ホームが確定して、列車も来た。指定席の車両に乗り込むと、なんか行きのときの列車より椅子とかが豪華。それに、あたしたちのもののはずの席におっちゃんが座ってて、あたしたちが何か間違ってるのかと不安になる。でも、やっぱりここ。悩んだ挙句、座ってるおっちゃんに言うと、おっちゃんは本当は向かいの席だった。なんだ、勝手にあたしたちの席のほうに座ってたのか。もう。 ポンペイ行きが無事成功して、ほっとしてる。それに、行ってホントに良かった。ここがどのくらいスゴイかは、いちいちこんなトコに書ききれないけど。今度はエルコラーノも行きたいな。 |