11月19日 (日) 晴れ

 朝7時起き。軽く身支度してから朝食に向かう。食堂に入ると席着いているように言われて、座って待っていたら、グレープフルーツジュースのグラスと、朝食のお皿が運ばれてきた。お皿の上には、クロワッサン、ラスクと、バター、チェリージャム、アプリコットジャム、チョコレートスプレッドが載っている。更に温かい飲み物の注文を訊かれて、やっぱりイタリアだしー、と思ってカプチーノを頼んだ。ふわふわ泡立ったカプチーノがすぐに運ばれてきた。

 洗面所に歯磨きセットが置いてなかったから、食後にコナードに買いに行く。明るくなってから街を見てみると、なんとなくローマに来たんだなぁって、実感。道路が石畳のままだったりするトコとか。で、部屋に戻って歯磨きとか身支度を全部済ませて、いよいよ観光に出発した。

マッシモ宮  まずは、マッシモ宮。ローマ国立博物館の一つになっている。飛行機に乗るときみたいに荷物チェックとボディチェックを受けて、入場した。『歩き方』だと見学は3階からで、それもその階だけガイド付きとか書いていたけど、ぜんぜん関係なかった。ので、普通に1階から見学。そして、イキナリ感動しまくり。キレイで古風で豪華な建物の中に並ぶ、たくさんの白い像たち。キレイな中庭。2階には、ものすごく細かいモザイクがいっぱい。3階には、古い壁画。まだ一箇所めの見学なのに、すっかり魅入られてしまった。

 次の目的地は、ディオクレテイアヌスの浴場跡。ここも国立博物館の一つ。場所はここだろうって、すぐに分かったのに、入り口がない。ぐるりと一周してみても、周囲の別の建物を見てみても、分かんない。しばらくグルグルして、やっぱりここがそうだろうと思った入り口は閉ざされていて、なんか立て札みたいなのに、クローズとか書いてある。また明後日出直してみることにする。

 次の目的地に向かう通りがかりに、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会に入ってみる。その途端に、二人して、「うわぁ」って声をあげてしまう。ずっごくキレイ。建物そのものも、像も、壁の絵画も、祭壇も、何もかもがホントにキレイで、広くって、感嘆の声と溜息。このときに二人してすっかり教会ファンになってしまった。

 次は、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂。さっきのトコより、大きい。さっき感動したから、ここもかなり期待して中に入る。入り口にいる物乞いは無視。はぁ〜、ここもかなりスゴイ。像とか壁の絵とか天井のフレスコ画とか、そういうものが全部、美術館に匹敵する。さっきのトコもそうだけど、日曜日だからミサ中。そういうシーンを見るのも、物珍しくて、いい経験だ。壁に沿って並んでいる木の小さな建物みたいなのは、どうやら中に聴問僧がいて信者の話を聞いているみたい。

 ここには、横の部屋にお土産屋さんが付いていた。そこで、ロザリオと、守護天使のペンダントを買った。天使のペンダントはとっても可愛い。ロザリオは、信者じゃないけど、キレイだし、記念品。

 ここの斜向かいって感じのところに、ウピムってデパートがあった。ちょっと立ち寄る。可愛いクリスマス飾りがいっぱいあって、すごく欲しくなった。

ヴィットリアーノからのローマの町並み  一旦テルミニ駅前に戻ってバスでベネチア広場へ行く予定だったけど、ここから歩けそうだから、歩いてみることにした。ちょっと裏道っぽいところをずんずん歩く。すると、おっきな柱がイキナリ見えた。その近くに、それより小さい柱がいっぱい並んでいる遺跡があって、その向こうに、とっても堂々と立派に、白くて大きな建物が見えた。これが、ヴィットリオ・エヌマーレ二世記念堂だ。思ったよりずっと大きくて、びっくり。観光客もイキナリ増えた。登って周囲を見回す。いい景色だなー。真下の、せっかくのベネチア広場が工事中で、それが景色を台無しにしてて残念だけど。でも、遠くとか、いい感じ。初めて見渡す、ローマの街だ。

 と、右の方に、コロッセオ発見。テレビとか学校の歴史の資料集とかで見てきただけの、それでもよく知っている超有名建築物の実物を初めて目の当たりにして、なんだか、ちょっと感動。意外に近くに見える。ということは、この目の前の、さっき見た柱がいっぱいあるトコは、フォロ・トライアーノってことか。で、あの大きい柱は、トライアヌスの記念柱。あらら、こんなに近くにあったんだー。

 ヴィットリアーノから降りて、カンピドーリオ広場へ向かう。こじんまりした広場だけど、キレイに整ってる。そこを抜けて、フォロ・ロマーノに入った。

 広〜い敷地に、ぎっしりとすごい遺跡群。その間を縫って歩く。立派な様子のモノもあれば、残骸がかなりいい加減に、あっちこっちに転がってたりもする。そういうヤツは、観光客の休憩ベンチと化していたり……。こういうところが、なんか大らかだなーっていうか。

ドキドキ…真実の口に手をいれる  遺跡群の中をのんびり散歩して、次は「真実の口」だ。地図を見ながら、そろそろかなーって歩いていると、前方に人だかりを発見。あー、たぶんあれだろうなーって思って行ってみると、やっぱりそうだった。広場の前の茶色い鐘楼がある教会、サンタ・マリア・イン・コスメディンのトコ、柵の向こうにあった。もう何人も並んでいて、口の中に手を入れて写真を撮る順番を待っている。あたしたちも、その列に並ぶ。ウソつきは手が抜けなくなる、なんてただの言い伝えだって分かってても、大きい口に手を入れるという行動は、なんだかドキドキ。

 ミーハーな写真を撮った後は、入り口近くで売られていた「真実の口」の小さいレプリカを買って、教会にも入ってみた。天井に木の梁が見えていて、質素な感じ。今日見てきた教会みたいな豪華さはないけれど、この質素さが、また別の良さを持っている。

 教会を出て、向かいの広場のヴェスタの神殿とかを眺めながら、テヴェレ川まで行く。川沿いの歩道の並木の葉っぱが黄色く色付いていて、いい感じ。足元に、その落ち葉も積もっていて、それを踏みながら歩いた。そして、ティベリーナ島にかかっている橋を渡る。

 島に着いた辺りのトコで、初めてジェラートに挑戦。あたしはミックスベリーのヨーグルト風味のやつ。連れはレモンのやつ。近くの小さな広場のオベリスクの台座に座って食べる。おいしいよぉ。連れのレモンのやつは、素でレモンの味。おいしいけど、すっぱ〜い。

 続きの橋を渡る。テルミニ駅へ戻るためのバスの切符を買ってなかったから、テルミニ駅行きのバス停のあるソンニ広場を探してみることにする。だけど、見つからない。途中にあった観光案内所に寄ってバスの切符を売っている場所を訊いてみたけど、教えてもらった辺りに見つけられない。もう諦めて真っ直ぐ教会に行こうと思ったら、この観光案内所がある所がソンニ広場だった^^;

 サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会へ向かう道は、日本で言うと大きめの神社とかへの参道みたいに、路地に露店が並んでいる。そして到着。ここの教会はどんなのだろうって、楽しみにしながら入場する。祭壇のトコの、金色のドームが目を引いた。金色の地に、鮮やかな色彩の絵。天井もそう。金色と絵の色彩のとり合わせが、とてもキレイな教会だった。やっぱり、教会はどこも素晴らしいなー。

 教会から出て、来たときとは別の道から川へ戻ろうとして、失敗した。なんか、わけのわかんない通りを歩く。でも、その通り道で見かけて入ってみた、サンタ・マリア・デラ・スカラって教会が、小さめながら中は豪華で、これもまたステキだった。ガイドに紹介とかない小さな教会でも、こんなにすごいんだなー。

夕暮れのテヴェレ川  方位磁石で方角を確かめて、やっと川岸へ戻れた。薄暗くなっていて、川面に映るオレンジ色の街灯がキレイ。だけど、かなり北に行っちゃってたみたい。川沿いをずっと戻って、ガリバルディ橋を渡って、ベネチア広場を目指した。もう、バスは諦めてる。のんびり歩くよ。

 途中、柱とかが並んだ遺跡を見つけた。地図で確かめると、アレア・サクラってやつみたい。柵で囲まれてて、少し掘り下げられたようになっている。柵にへばり付いて遺跡を眺めてたら、なぜかやたらとネコがいることに気付いた。もう、ホントに、遺跡じゅう、あっちこっちにいる。なんなんだろ、ここ? 

 遺跡を、というよりはネコちゃんたちをたっぷり見た後、また歩きだした。途中に、また大きな柱だけあったりとかした後、ベネチア広場まで戻ってきた。もう暗くて、お昼に登ったヴィットリアーノがライトアップされている。お昼の快晴の真っ青な空を背にしている様子も良かったけど、今の様子もキレイだ。

 ここから、ショッピング街だというナツィナオーレ通りを歩く。路地端で焼き栗を売っている。なんか、意外。焼き栗って、日本のイメージしかしないもんなー。 終点は共和国広場。それが見えた時点で、ちょっと手前を曲がった方が近道かなー、ということで、右に折れた。そしたら、そのちょっと先で、オペラ座を発見した。人が結構集まっている。

晩御飯  はー、よく歩いたぁ。夕食は、テルミニ駅構内にあるセルフサービス・レストランで食べることにする。アラビアータのペンネとペペロンチーノらしきスパゲティ、ラーメン鉢くらいのサイズのサラダ、フライドポテトを二人で分けて食べる。あたしは、更に、ミックスベリーのケーキも食べた。キレイなデザートって、どうしても食べたくなるんだよねー。